2006年12月04日

萎びたミカンの方程式

やあ、俺だ。
今日は本当に久しぶりに早く帰れてね。じゃあちょっと晩飯は美味い物でもと、オリジン弁当へやって来たのさ。
何、貧乏臭いってぇ?いやいや、ここののり竜田揚げ弁当が絶品なんだよ。どれ位絶品かと言うとだな、"カレーZEPPIN"並の絶品加減さ。特にあの、竜田揚げに絡めるソースと、かつおぶし層付きでちょっと濃い味の海苔弁当が堪らないんだよな。これを毎日食っていたらメタボリックも高血圧もドンと来いってなとこだが、分かっちゃいるが止められねえってヤツなのさ。

そんなウキウキ感で弁当を注文してふと辺りをみると、俺の他に一人のセニョールが弁当の出来を待って席に座っていた。で、俺も座ろうと席の方に歩を進めた時、俺はハッと気付いちまった。

まずい、k2rだ!

遠くから見ても分かる、ひどい安物だ。しかも手入れが行き届いていないせいか、くしゃくしゃになっていやがる。これは…そう、剥いたミカンの皮が萎びたみてえな代物が、頭に乗っていやがるんだよ。お陰で端っこの方がスカスカで、地肌や地毛が丸見えだぜ。

困ったぞ、こいつはかなり困ったぞ。

店には俺とセニョールの2人きり。セニョールの隣の席がきっかり一人分、まるで俺を待ち構えているかの様に空いている。ここはできれば距離を置きたいところだが…仕方ねえ、席に着くしかあるまいよ。
1分、2分、時間は刻刻と過ぎてゆく。俺の心配とチラ見をよそに、セニョールは何食う顔だ。畜生、人の気も知らないで暢気なもんだぜ。

そうこうしている内にようやく、セニョールの弁当が出来上がった。セニョールは弁当を受け取り、店を出た。ようやく俺は、あのしなびたみかんの皮みたいな物体の恐怖から開放されたのさ。

しかしまあ、場所が悪かったよな。ただでさえ時間のかかるオリジン弁当だが、今日ばかりはまるで永遠の時間(とき)をさ迷う旅人の様な気分だよ。

その時ふと、中島みゆきの歌と3年B組金八先生の名シーンが頭を過ぎった。そうだ、セニョールは萎びたミカンなんかじゃない。今度会う時には、"お前は俺の生徒だ!"と言って抱きしめてやろう。そんな感動のワンシーンを思い浮かべていると、俺のラテンの血が騒ぐぜ。
posted by mexican at 23:20| Comment(3) | TrackBack(0) | 鬘草子(かつらのそうし) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どもっス!
 先に店を出るなら、ハンカチを落とした人に「落としましたよ」と言ってあげる感覚で「ズレてますよ」とさり気なく言ってあげた方が・・・やっぱ言っちゃダメですよね。
 おしゃれなセニョリータに「鼻毛出てますよ」と言うようなものですもんね。  でも、店から立ち去る際にそっとささやくのはアリかな。
Posted by サキソフォンたなか at 2006年12月09日 02:25
おぉっと!
 ズレてるんじゃなくて、萎びてますよ、ですね。
Posted by サキソフォンたなか at 2006年12月09日 16:02
>サキソフォンたなかさん
う〜ん…そうか、ちょっと爽やかに言えばなんとかなりますかね。何と言うかこう、春風の様に。
もしくは"ホラ、曲がってる"ってネクタイを直してあげるやれやれ感で、というのもありかもしれません。世話女房的に。
Posted by mexican at 2006年12月09日 20:24
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